ウォーターサイエンス研究会 江川芳信氏による水素水についてのお話

 日本では今、ミネラルウォーターや各種機能水が人気を集めていますが、その中で特に注目浴びているのが、「水素水」(水素豊富水とか溶存水素水などと呼ばれることもある)です。

 「機能水」とは、「水になんらかの処理を施し、ある特定の機能を持たせた水」のことをいます。例えば、アルカリイオン水とか酵素水など、いろいろあります。

 この「水素水」については昨年3月に行われた「日本薬学会」で、県立広島大学生命環境部の三羽信比古教授らのグループが、水素リッチ水に抗がん効果と活性酸素抑制効果がめられるという研究成果を発表しています。ヒトの舌がん細胞に通常の水と溶存水素の多い水を加えて培養したところ、通常の水ではがん細胞は増殖を続けたが、溶存水素の多水では増殖が抑制されたという内容でした。

 ウォーターサイエンス研究会で講演していただいた時はそれ以外に、ヒト繊維肉腫細胞のがん浸潤(転移)抑制作用の可能性やビタミンCの酸化分解を防御、活性酸素を消去する、細胞内の酸化ストレスを抑制するといった機能が、水素リッチ水に見出されたというものでした。

 「活性酸素」が主な原因と云われている病気には、老化や動脈硬化、高血圧、胃潰瘍、脳こうそく、ガン、リウマチ、糖尿病、シワ、シミ、アレルギー、アトピー、肌荒れ等があげられ、ストレスを受けたりすると体内で増え、細胞や遺伝子を傷つける物質です。

 この活性酸素を抑える働き(抗酸化作用)をもつものが「水素」です。兵庫県姫路市のある病院では、直接治療に用いることはないが、薬の効果が見えにくい人や、いつも体調が悪く元気のない人などに「水素水」を勧め、数ケ月間の飲用で症状が改善した患者の症例報告されています。

「水素水]の多くはスティック状のものをペットボトルに投入する、強制的に水に溶け込ませるといったものがほとんどで、安全な天然水で豊富に溶存している例は、わすかしか報告されていません。(水道水はほとんどゼロ)

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